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黄巾を斬って、英雄始めて功を立つ

さて、誓いを終えて村の勇士たちを募ったところ、三百余名が集まった。しかし武器を揃えてみたが馬が足らない。
劉備らがどうしようかと悩んでいるところに、二人の旅商人が馬の群れを引き連れて張飛の屋敷へ訪れた。
旅商人は毎年北方へ馬を売りに出かけていたが、今年は賊が現れたので引き返す中途とのことだった。劉備は二人を屋敷に招き入れ、賊を討伐し人民を救おうと志を打ち明けた。
二人はそれを聞き大いに喜び、馬五十頭の他、武器を作るための金銀五百両、鋼一千斤を差し出した。
劉備は彼らに礼を言うと、早速関羽に青龍偃月刀(せいりょうえんげつとう)を、張飛に蛇矛(じゃほう)なる武器を作らせた。
劉備たちの下に集まった勇士は総勢五百余名になり、支度もすっかり整ったので、劉備たちは劉焉の元を訪れた。
劉備が家系を名乗れば劉焉は大変喜び、劉備を義理の甥とした。

 

それから幾日もしない内に、黄巾賊の将軍が五万の兵を率いて領地を侵そうとしているとの知らせが届く。
劉焉は劉備ら三人とその兵五百に討伐の命を出した。
劉備らは勇んで賊軍と対峙し、両軍が接近すると、劉備は左に関羽、右に張飛を従えて馬を乗り出し、鞭を突きつけて大きな声で罵った。
「やあやあ謀反人ども、潔く降参いたせ」
さて賊将は大いに怒り、副将を出陣させれば、こちらは張飛が蛇矛を手に踊り出し、あっと言う間に敵の胸元を突き通す。それを見た賊将は張飛を討とうと駆け寄るところを、関羽に一刀のもとに斬り捨てられる。
賊兵たちが将軍を斬られて崩れたつのを、劉備は兵士を使って追い立てる。投降する者数知れず、大勝をして帰陣した。

 

ある日、劉焉の元へ青州の責任者であるきょう景(きょうけい)より、黄巾賊に囲まれて落城の危機に瀕しているために加勢を頼む書状が届いた。
劉焉が劉備に相談すると、劉備は
「援軍の件、わたしに仰せつけ下さい」
と言った。
劉焉は劉備らに兵五千を授け、青州へ向かわせた。
劉備は関羽、張飛に
「賊は多く、味方は少ない。正面から戦ってもとても勝ち目はない」
と言い、二人にそれぞれ兵一千を授けて山の左右にひそませ、合図をしたら一斉に討って出てくる策を取った。
翌日、劉備は手勢を引き連れ賊軍へ立ち向かった。
賊軍がこれを迎え討とうと出てくるなり、劉備はさっと兵を引く。勢いに乗った賊軍は追いかけていく。そして峠を越えたところで劉備は合図を出し、左右の伏兵がどっと討って出てくる。劉備も手勢を率いてとって返し、賊軍は三方向から散々に打ち立てられた。残る一方、青州城下まで揉みくちゃになりながら逃げれば、きょう景も民兵を率いて城門より討って出て、劉備らと共々に賊軍を打ち払う。
こうして賊軍は無数の死者を出して大敗し、青州の囲みも解けた。

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