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曹操呂布を大いに破り、呂布劉備を頼り徐州へ落ちる

さて、曹操(そうそう)は呂布(りょふ)を大いに打ち破ったため、呂布は海辺まで逃れて敗残の兵をまとめた。再び曹操と戦おうとした時、陳宮(ちんきゅう)の言うには、
「今は曹操の軍勢多く、戦うべき時ではございません。まずは落ち着く先を定めてからにすべきでしょう」
「わしはもう一度袁紹(えんしょう)の元に身を寄せようと思うのだが、どうであろうか」
「ひとまず使いを出して様子を探らせてからがよろしいかと存じます」
呂布はこれに従った。

 

さて、袁紹は冀州(きしゅう)を治めていて、曹操が呂布と戦った経緯を伝え聞いたが、審配(しんぱい)が歩み出て、
「呂布はけだもののような者です。もしえん州を手に入れれば、次は必ず冀州を狙うでしょう。ここは曹操を助けて彼を滅ぼすことこそ、後の禍いを絶つことになりましょう」
袁紹はそれに同意し、兵五万を顔良(がんりょう)に与えて曹操の加勢に赴かせた。間者がこのことを探り当てて、呂布に急いで伝えたところ、呂布は大いに驚いて陳宮に聞くと、
「劉備(りゅうび)が近頃徐州の責任者になったとか。彼を頼って行くのが宜しかろうと思います」
と言うので、ただちに徐州へ向かった。この報せが劉備の元にもたらされたので、劉備は呂布を受け入れることにした。
しかし糜竺(びじく)が、
「呂布は虎か狼のような者ゆえ、お引止めにはなっては身のためになりません」
「先に我らの禍いが避けられたのも、呂布がえん州を襲ったからではないか。そして今、彼が行くところも無く、わたくしの元を頼ってくるというのに、他意などあるはずは無かろう」
すると張飛(ちょうひ)が、
「兄者は人が良すぎる。ともかく支度だけはしなければならねえな」
劉備は呂布を出迎え、役所の広間で挨拶を済ませて席に着くと、呂布が言った。
「わしは王允(おういん)殿と董卓(とうたく)を殺してより、李かく(りかく)、郭(かくし)の乱にあい、放浪しておったが、たまたま、先頃、曹操が徐州を侵し、貴公が陶謙(とうけん)殿に加勢されたと耳にしたので、えん州を攻めて彼の力を殺ごうとしたのだが、返り討ちにあってしまった。そこで次は貴公と共に曹操を討ち取りたいと考えてお尋ねしたのでござるが、貴公のお考えのほどをお伺いしたい」
これを受けて劉備は、
「陶謙殿のご逝去以来、この徐州を治める者がなく、わたくしがしばらくお預かりしておりましたが、こうして呂布将軍がやってきてくださったのは幸いに存じます。なにとぞ当州をお受け取り下され」
と言った。