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曹孟徳 駕を移して許都に幸し 呂奉先 夜に乗じて徐郡を襲う

<主要登場人物>
李楽(りがく)・・・帝を奪わんと欲したが、徐晃に斬り棄てられる
李かく(りかく)・・・帝を奪わんと欲したが、曹操の軍に破れ山賊になりはてる
郭(かくし)・・・帝を奪わんと欲したが、曹操の軍に破れ山賊になりはてる
楊奉(ようほう)・・・李かくの配下だったが、寝返って帝の警護に当たる。しかし援軍として駆けつけた曹操に戦いを仕掛けるが破れ、袁術を頼って落ちのびる
献帝(けんてい)・・・帝。李かく、郭に捕らわれていたが、曹操に救われる
徐晃(じょこう)・・・元楊奉の配下だったが、寝返って曹操の配下となる
張楊(ちょうよう)・・・帝に食糧などを献上したすけた
楊彪(ようひょう)・・・帝に曹操を呼び寄せて補佐させるよう献策する
曹操(そうそう)・・・詔を受けて帝を補佐し、都を許都に遷都した
荀ケ(じゅんいく)・・・曹操の参謀
董承(とうしょう)・・・帝の国舅
夏侯惇(かこうとん)・・・曹操の武将
曹洪(そうこう)・・・曹操の武将
賈く(かく)・・・李か、郭の参謀。進言を受け入れられず、故郷に落ちのびた
許ちょ(きょちょ)・・・曹操の武将

董昭(とうしょう)・・・曹操に遷都を勧める
徐晃(じょこう)・・・楊奉の配下だったが、曹操に寝返る
満寵(まんちょう)・・・曹操の幕臣。弁舌をもって徐晃を寝返りさせる
袁術(えんじゅつ)・・・曹操の董卓討伐の激に集まった諸侯の一人
劉備(りゅうび)・・・英雄の一人。荀ケの策で袁術、呂布と争う事となる
呂布(りょふ)・・・比類なき武勇の武将。劉備と袁術の戦を和解させ、後に劉備の城をとる
張飛(ちょうひ)・・・劉備の義兄弟。酒に溺れて呂布に城を取られる
関羽(かんう)・・・劉備の義兄弟
陳登(ちんとう)・・・張飛が酒に溺れぬよう、劉備からお目付け役を言い付かる
紀霊(きれい)・・・袁術の武将
曹豹(そうひょう)・・・劉備の配下だが、張飛に無体を働かれたため、裏切って呂布につくも、張飛に斬り棄てられる
陳宮(ちんきゅう)・・・呂布の参謀

 

<概要>
洛陽に向かう献帝一行に李楽が追いつき、献呈を奪わんと欲するが、徐晃に蹴散らされた。
無事に洛陽に到着した一行だったが、その荒れ果てたこと甚だしく、また大飢饉で餓死者が絶えなかった。
そこで楊彪が帝に献策し、曹操を呼び寄せ補佐をさせることとなった。
李かく、郭が再三迫ってくるものの、曹操の軍がこれを撃退し、ようやく帝は心を落ち着けた。

 

帝の下に馳せ参じた曹操は、董昭と論じて許都への遷都を奏上する。
帝はこれに異を唱えることができず、遷都が決行された。
楊奉らがこれを妨げに現れたが、曹操は徐晃を寝返りさせるとこれを打ち破り、
楊奉らは袁術を頼って落ちのびた。
以来、曹操は大権を握り、朝廷の要事はまず曹操の耳に入る事になった。

 

劉備と呂布が手を組む事を恐れた曹操は荀ケに計り、彼らを討ち合せることとしたが、
劉備に見抜かれ事は成らなかった。
次に劉備と袁術を争わせ、呂布に裏切りの心を起こさせようとした。

 

劉備は策を見抜いていたものの、勅命に背くことが出来ず袁術討伐の兵を起こす。
留守を張飛に任せたものの、張飛は酒に溺れ無体を働き、結果呂布に城を取られてしまう。
後悔の念に捕らわれた張飛は自刎しようとする。さてどうなるか。

三国志演義 第十四回 - 其の一

さて李楽(りがく)が、手勢を率いて李かく(りかく)、郭(かくし)が追いついたと大声を上げたので、天子は肝を潰さんばかりに驚かれたが、楊奉(ようほう)が、「あれは李楽の兵でございます」と奏上して、徐晃(じょこう)に迎え撃つように命じた。李楽は自ら打って出たが、たった一合打ち合わせただけで斬り捨てられ...

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三国志演義 第十四回 - 其の二

しかし董承(とうしょう)が言うには、「もし戦って敗れたらどうします。むしろ、今は一旦山東に逃れるのが宜しいかと存じます」帝はその意見を取り入れて、早速山東へ向かった。洛陽を出たばかりという頃、当方より砂塵が上がり、銅鑼(どら)や太鼓の音が響き渡った。多数の兵馬が近づいてきて、帝は皇后と共に震え上がり...

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三国志演義 第十四回 - 其の三

ある日、帝は曹操の元に人を遣わし、参内するようお召しになった。曹操は勅使のおなりと聞いて、お通しした。すると其の人物は精気に満ち溢れていて、この大飢饉で兵士も民も飢えに苦しんでいるというのに、この人物だけが肥えふとっている故を不思議に思った。曹操は、「貴殿はいかにも福々したお顔をしておられるが、どの...

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三国志演義 第十四回 - 其の四

さて、董昭が辞退しようとすると、曹操はその手を取って、「今後ともよろしくご指導ください」と言い、董昭は厚いもてなしに感謝して帰った。曹操はこの日以来、遷都の密議を行なった。そしてついに決心を固めると、帝に謁見し、「東郡は長らく荒廃して打ち棄てられていたため、容易に修復いたしかねます。加えて、食糧の搬...

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三国志演義 第十四回 - 其の五

徐晃はしばらく熟考していたが、しばらくして吐息を漏らした。「わしとて楊奉らが小物である事を知らないわけではないが、長く仕えてきた身。捨て去るには忍びないのじゃ」「従うべき主人に会いながら、些細な事からお仕え出来ないのは勇将のすることではございませんぞ」徐晃は立ち上がって礼を述べ、「貴公の言葉に従おう...

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三国志演義 第十四回 - 其の六

曹操は荀ケの策を採用し、ただちに詔を請い、劉備の役職を高位にすると共に、密書を一通送った。その内容は呂布を討てというものであった。その頃、劉備は徐州におり、帝が許都に住まわれたと聞き、お祝いの上奏分を奉ろうとしていた頃に、勅使が来たとの報せがあったので、詔を拝受して勅使のために宴席を設けて接待した。...

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三国志演義 第十四回 - 其の七

勅使は曹操に、劉備が呂布を殺そうとしない旨を報告した。曹操は荀ケに問うた。「この策がならずとすれば、どうしたらよいか」「まだ一計ございます。これを名付けて『虎を駆りて狼を呑ましむるの計』と申すもの」「その計とは」「袁術に密使を送って、劉備から袁術の治める地を攻め入ろうと献策があったと言わせるのでござ...

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三国志演義 第十四回 - 其の八

さて、張飛は劉備の出立を見送った後、ある日宴席を設けて諸官を招いた。「兄貴は出立の時、俺に酒を慎んで失態を犯さぬよう固く言いつけて行った。みんな今日一日心行くまで飲んで、明日からは酒を断ち、俺を助けて城を守ってくれ。とにかく今日は存分に飲んで楽しんでくれ」と言って席を立つと、酌をして回った。すると曹...

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