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孫策劉ようと争い、大いに武勲を挙げる

太史慈は時々戦いながら逃げ回り、孫策を連れから引き離し、ついに平地に出た。
太史慈は再び孫策に打ちかかり、またも五十合にもなる。孫策が槍を繰り出すところを太史慈が槍を小脇に捕らえ、同じく槍を繰り出せば、孫策も同様にその槍を挟み取る。二人は組み合ったままどっと馬から転げ落ちた。二人は槍を棄てると襟首を掴んで殴り合い、装束が粉々にちぎれ飛ぶ有様だった。
孫策が一早く太史慈の短戟を奪えば、太史慈も孫策の兜をもぎ取った。孫策が戟で突けば、太史慈は兜で受ける。そこへ劉ようが援軍千人余りを率いてやってきた。
孫策はこれはしまったと焦るところ、程普らも駆けつけたので、孫策と太史慈はようやくお互いに手を離した。
孫策は馬に跨ると、劉ようの一千余騎と入り乱れて戦いに戦った。次第に山の麓まで近づいていくと、どっと喚声が沸いて、周瑜が援軍を率いて駆けつけた。劉よう自ら大軍を率いて攻め込んできたが、日が暮れると共に激しい雨風が吹き付けてきたので、双方共に軍をまとめて引いた。

 

次の日、孫策は軍勢を率いて劉ようの陣屋の前に至る。
両軍激しく罵りあい、太史慈が身を乗り出して孫策に勝負を挑もうとすれば、孫策も我慢ならずに乗り出そうとするのを程普が引き止める。そうしてまずは程普が身を乗り出す。
太史慈は、
「貴様では相手にならぬ。孫策を出せ」
程普は大いに怒り、槍を構えて太史慈に勝負を挑む。商者、三十合あまり打ち合ったとき、突如劉ようが銅鑼(どら)を鳴らして戦いをやめさせた。
太史慈は、
「それがしあと一息で賊将を生け捕りに出来るところでありましたのに、何故軍を退かれるのでございますか」
と言うと、劉ようの言うのに、
「周瑜が我らの本拠地を取ったとの報せがあったのだ。今はただちに引き返し、本拠地を取り戻さなければならぬ」
太史慈が劉ように従って軍を退けば、孫策も追わずに軍勢を整えた。
すると張昭から、
「敵は周瑜殿に本拠地を取られ、戦意を失っております。今宵こそは夜討ちの機会と存じます」
孫策はいかにもと頷き、一気に夜討ちをかけた。その為に劉ようの軍勢は散々に打ち崩され、ばらばらに逃げ散った。太史慈は単身踏みとどまって戦ったが、力及ばず夜の内に逃げ延びた。

 

さて、孫策は新たに陳武(ちんぶ)を得た。孫策は彼を敬愛して重く用いた。その頃、劉ようが牛渚を奪ったという思わぬ報せがあり、孫策は激怒すると自ら大軍を率いて押し寄せた。そして、
「わしが参ったからには、なぜ早々に降参しないのだ」
と大声で怒鳴った。