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陳登策が功を成し 劉備三兄弟再び揃う

陳登は陳宮に言った。
「曹操の軍勢が関に入ったぞ。徐州が危ない故、貴公らは早々に戻られよ」
陳宮が兵を率いて撤退すると、陳登が櫓から狼煙を上げたので、呂布は闇に紛れてなだれ込んだ。暗闇の中で陳宮の手勢と呂布の手勢が激しく同士討ちを演じる。そこへ曹操が合図の狼煙に、一斉に押し寄せたので、呂布の軍勢は散々に打ち崩されて逃げ去った。呂布は朝方まで斬りまわっていたが、初めて謀られたことに気が付き、急いで陳宮と共に徐州へ引き返した。しかし城門は固く閉ざされ、城中から雨のように激しく弓矢が射掛けられる。糜竺が櫓に立ち言った。
「貴様は劉備様からこの城を奪いおったが、今は我らが取り戻した。ここには一歩も入れぬぞ」
呂布が陳宮を顧みて、
「陳登は何処におるか」
と尋ねると、
「将軍はまだあの裏切り者に惑わされておいでか」
との返事。軍中を探させたが、姿が見えぬ。陳宮に促されて小沛へ向かったところ、行く手に一隊の軍馬が現れた。見れば張遼らである。呂布が何事かと尋ねると、
「陳登殿が参って、将軍が囲まれた故至急救いに参るようとのことでございましたので」
という答え。
「これもあの裏切り者の仕業です」
と陳宮に言われて、呂布は怒り心頭、
「おのれ、必ず殺してやるぞ」
と馬を飛ばして小沛に到着すると、城壁に曹操軍の旗さし物が立て連ねている。これは既に曹操が曹仁に命じて乗っ取らせ、立てこもっていたものである。呂布が城下から陳登を散々に罵れば、陳登は櫓から、
「わしは漢王朝の臣下だ。貴様如き逆賊の下につくものか」

と罵り返したので、呂布は烈火のごとく怒って攻めかかろうとしたが、にわかに背後からどっと鬨の声が湧いて、張飛が兵を率いてやってきた。呂布配下の武将が戦いを挑むもとても敵わず、呂布自らが討ち合った。二人が火花を散らすその時に、横手から時の声が沸き、曹操自らが大軍を率いて斬り込んできた。呂布はとても敵わないと見て取って、軍勢を率いて東方へ逃げる。しかし曹操の軍勢も逃すものかと追い迫る。呂布はひたすら逃げたが人も馬も疲れ果てたその時に、関羽が討って出た。そして薙刀を片手に、
「呂布、逃げるな」
と大喝する。呂布はこれに立ち向かったが、早くも張飛が背後から迫ってくる。呂布はもはやこれまでと、陳宮らと血路を開き、下?を目指して落ちていった。

 

関羽、張飛は再び巡り合えた幸運に、涙ながらに分かれてからのことを語り合った。そして二人は語り終わって、共に兵を率いて劉備の前に出ると、声を上げて泣き伏した。