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劉備袁術を散々に討ちのめし、袁術蜜水を所望して死ぬ

さて、郭嘉(かくか)と程c(ていいく)は税金、年貢の取立て状況を視察して帰ってきたところ、曹操が既に劉備を出発させたと聞いて、慌てて諌めに罷り出でた。
「丞相はなにゆえ劉備を出発させたのですか」
程cは、
「その昔、それがしが劉備を殺すように申し上げたところ、丞相はお聞き入れくださりませんでしたが、今また彼を解き放てば後になって従えようと思われても、そうはいきませんぞ」
郭嘉、
「丞相がたとえ劉備を殺すのがしのびないとお思いでも、彼を放すべきではございません」
曹操はいかにもと、許ちょ(きょちょ)に至急劉備を連れ戻すように命じた。

 

劉備が兵を進めるうちに、許ちょが追いついてきた。そこで劉備は許ちょと対面し、
「これは何事ですか」
「丞相より、他にご相談致したい事が出来ましたので、至急都にお戻願いたいとのことです」
「わたくしは天子にお目通りした上、丞相よりも直々にお言葉を賜っています。改めてご意見を承ることもござらねば、この旨お伝えください」
許ちょはひとまず曹操の判断を仰ごうと、兵を引いて都に帰った。そして曹操に劉備の言葉を伝えると、程c、郭嘉が、
「劉備が軍を引き返さぬとあらば、彼の本心はもはや明らかになりましたぞ」
と言ったが、曹操は深く気に止めることはなかった。

 

さて馬騰は、劉備が去った頃、同じく任地に帰った。
劉備は徐州に着くと、留守を任せていた人々と久々の再開を堪能した。そして人を遣わし袁術の様子を伺わせたところ、間者の報告によると、
「袁術のあまりの贅沢な暮らしように、賢人たちは皆ことごとく離れていき、袁術は手足をもがれた状態にな
りました。そこで袁紹に帝号を譲る旨の書面を与えましたところ、袁紹から袁術本人が出向くようにとの回答があったので、彼はまずは徐州を通ろうとしています」
とのこと。
劉備は袁術がやってくると聞き、関羽、張飛らを従え五万の軍勢を整えて出陣したところ、進んできた敵の先鋒(きれい)と遭遇した。すると張飛が物も言わず紀霊に挑み、十合もせぬうちに紀霊を馬から突き落とした。これに勢いを得た劉備軍は袁術軍を散々に打ちのめし、袁術は僅かな兵士を引き連れて逃亡した。途中、袁術は固い飯が喉を通らず、蜂蜜水を所望すると、
「蜜の水などございません。あるのは血の水ばかりです」
と言われ、寝床に座ったまま血を吐いて死んだ。
袁術が死んだあとは、一族郎党皆殺しになり、玉璽は曹操の手に入った。

 

さて劉備は袁術の死を聞くと、曹操から借りた軍勢をそのまま徐州の警護に当たらせて、自らは城外に出て怯えた領民を安心させ元の仕事に戻るよう諭して回った。

 

劉備が軍勢を返さないことを知ると、曹操は大いに怒った。そして刺客を差し向けるものの、陳登(ちんとう)親子に見破られて、かえって返り討ちにした。
劉備は、
「曹操の腹心まで殺したとあっては言い訳が立つまい」
と言うと、陳登が言うのに、
「それがしに一計あり、曹操を退ける事が出来まする」
さて陳登はいかなる計を言い出すか。それは次回で。

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