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張遼関羽に三つの罪を

さて程c(ていいく)が言うには、
「関羽(かんう)は向かうところ敵なしの勇者でございますゆえ、策を講じなければ投稿させることはできません。まずは劉備(りゅうび)の元より降参して参った兵士を遣わし、逃げ戻ったと言い繕わせて、後で城内より内通させる事と致します。そして彼を合戦に誘き出して負けたフリをしながら遠方に誘いだし、退路を絶った後、張遼(ちょうりょう)殿より降参を勧めて頂ければ彼も殿のもとへ帰順することでしょう」
曹操(そうそう)はその策を取り入れ、夏侯惇(かこうとん)に先鋒を任せた。夏侯惇はそこそこ打ち合うと、馬首を返して逃げれば、関羽はこれを追いかける。二十里ばかり追いかけたところで、徐晃(じょこう)、許ちょ(きょちょ)が退路に立ちふさがる。関羽は必死に応戦したが、城に戻ることができず、曹操軍に囲まれた。そうするうちに夜も開けて来たので、再び斬り抜けようとしているところへ、張遼がやってきた。
「これは張遼殿。勝負をしに来られたか」
「いや、久々にお話でもいたそうかと思って参りました」
「さては貴公はそれがしに降参を勧めに参ったのだな」
「違う。以前それがしの危機を救っていただいたご恩をお返しに参ったのでござる」
「では、それがしに加勢いたしてくれようと言われるのか」
「それも違う」
「やはり降参を勧めに参ったのだな」
と、関羽が怒ると、張遼は爽やかに笑って、
「貴公がこの場で命を棄てれば、三つの罪を犯すことになりますぞ」
「その三つの罪とは」
「貴公は劉備殿と生死を共にせんと誓っておられるではないですか。貴公がここで果て、後に劉備殿が現れ貴公のお力を必要とされたときに答えることができなければ、貴公は長年の誓を破ることになるではないでしょうか。これが第一の罪。劉備殿がご家族を貴公に任されたのに、ここで討ち死されれば、貴公は劉備殿の信頼に背くことになるではございませんか。これが第二の罪。劉備殿と漢王朝を助ける誓を忘れてここで死ぬのは忠義に反するものでござる。これが第三の罪。貴公がそのような罪を犯そうとされているので、それがしあえてご忠告致す次第にござる」
関羽はしばらく考えて、
「ならば、それがしにどうせよと申されるのか」

「四方をすべて曹操殿の軍勢に囲まれている今、貴公があくまで戦うと申されるのであれば討ち死は必定。ひとまず曹操殿に降参され、その上で劉備殿の居所がわかり次第駆けつければよろしいではないござらぬか。これで三つの罪を犯さずに済むというもの。よくよくお考えください」