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張飛大いに涙し 関羽 劉備を迎えに行く

張飛が何者かと見れば、糜竺(びじく)と糜芳(びほう)である。お互いはそれぞれ挨拶を交わし、張飛が、
「関羽兄貴が孫乾と共に兄嫁方をお連れして、つい先ほど到着したところだ。劉備兄者のいるところも分かったぞ。
と言うと、二人は大いに喜んだ。こうして張飛は二人の夫人を城内にお迎えし、今までの関羽の苦労を聞くと、はじめて大声で泣き、関羽の前に平伏した。糜竺兄弟も感動の涙を流した。張飛もわかれてから今までの話をし、再開を祝う宴を行なった。
翌日、張飛は関羽に共に汝南へ行って劉備と再開を果たそうと言った。しかし関羽が、
「そなたは兄嫁のお側にいて、この城でお守りしていてくれ。それがしがまず孫乾と一緒に兄上のご様子を探ってくる」
と言ったので、それを承知し、関羽と孫乾を見送った。

 

関羽は孫乾を率いて汝南に急行した。しかし、劉備は手勢が少ないため、再び河北の袁紹の元に向かっているとのことだった。
落胆する関羽に孫乾が、
「気を落とされることはありませんぞ。もう一度河北へ出直して劉備様にお会いし、古城にお迎えすれば良いことではございませんか」
と言うので、関羽もその通りだと頷いて、古城に戻ると、張飛にこのことを告げた。すると張飛は自分も河北へ行こうと言い出したので、関羽がこれを止めた。
「われらが落ち着いていられるのはこの城ただ一つなのだから、軽々しく棄てたりは出来ぬ。そなたはしっかりとこの城を守ってくれ」
「しかし兄貴は顔良(がんりょう)や文醜(ぶんしゅう)を斬っている。行っては危い」
「いや大丈夫じゃ。様子を見てうまくやってくる」
と、関羽は周倉を呼んだ。
「山あいに置いてきた手下はどのくらいおるか」
「四、五百ほどおりましょうか」
「わしはこれから兄者のもとに参るから、そなたはそのものたちを率いて街道筋で待っておれ」
周倉は命を受けて出発した。
関羽と孫乾は河北へ向かったが、国境まで来たとき、孫乾から、
「やはり関羽将軍はうかつには袁紹に近づけませんから、このあたりでしばらくお待ち下さい。それがし一足先に参って劉備様にお会いし、打ち合わせをして参りましょう」
と言われたので、それに従って孫乾を先行させた。
関羽は孫乾と別れた後、近くの屋敷に宿を求めに行った。屋敷から一人の老人が出てきて関羽に挨拶をした。

「わたくしも姓を関と申し、かねがねご高名を伺っておりました。今日お目通りがかなって幸せに存じます」
と言い、二人の息子を呼んで挨拶させ、関羽を厚くもてなした。