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孫権 魯粛と語らい帝位を志し 袁紹 再び兵を起こす

孫権は魯粛を大いに敬い、彼と一日中議論しても飽きることがなかった。
ある日、孫権は協議の後に魯粛を引き留めて酒を酌み交わした。話は尽きることがなく、夜が更けたので二人は寝台に横になった。そして夜半になって孫権が質問した。
「いまや漢皇室は傾き、天下は千々に乱れておるが、わしは父兄の大業を継いで皇室を助け、国を治めたいと思っておる。ついては今後の方策をお教え願いたい」
魯粛は、
「思うに漢皇室を再び盛り上げることは出来ないでしょうし、曹操をすぐさまに除くことも出来ないでしょう。孫権様におかれては、江東の堅牢なる守りによって勢力を拡大し、天下の状況を見定めるのが最上かと思われます。それには、都が多事な今、黄祖(こうそ)と劉表(りゅうひょう)を討って長江全域に勢力を広げた上、帝位にのぼって天下を掌握する基礎を固められるべきであり、これこそ大業がなされるということでしょう」
と言った。また、魯粛は孫権に諸葛瑾(しょかつきん)という博識多才な人物を推薦した。

 

さて曹操は孫策の死を知ると、軍勢を整えて江東へ攻め入ろうとしたが、張紘(ちょうこう)が、
「人の死に乗じて攻め入るのは、義挙とは言えません。むしろ今こそ好意を示すべきです」
と諌めたので、曹操はその言を受け入れ孫権を将軍に封じた。これより、孫権の威勢は江東にふるい、大きな人望を得ることになる。

 

さて、袁紹が孫策の後を孫権が継ぎ、曹操が彼を将軍に据えてよしみを結んだ故を知ると、大いに怒って再び許昌を襲おうとする。さてこの勝負はどうなるか。それは次回で。