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曹操 官渡に袁紹を破り 袁紹 き州に逃れる

さて、張こう、高覧は官渡に攻めかかったが、曹操軍は万全の体制を整えており、散々に打ち負かされた。張こう、高覧は血路を開いて逃れた。袁紹は廃残軍を陣中に迎え入れたが、淳于瓊が耳や鼻はおろか手の指一本残らずまで切り落とされているのを見て、
「どうして鳥巣を失ったのか」
と問うと、部下の兵士が、
「淳于瓊は酔い潰れていたので、急襲に立ち向かうことができなかったのでございます」
と言ったので、これを聞いた袁紹は怒ってその場で淳于瓊を斬り棄てさせた。

 

一方郭図は、張こう、高覧が戻れば己の誤りが明らかになってしまうのを恐れ、二人が帰陣する前に袁紹に、
「張こう、高覧は殿がお破れになったのを見て、必ず喜んでおりましょう」
とざん言を弄した。
「それはどういうわけじゃ」
「二人は以前から曹操に降参しようと思っておりますゆえ、今曹操軍に打ち破られても、わざと兵士を失うことでしょう」
炎症は大いに怒り、使者をやってただちに二人を処断しようとした。郭図はそれに先回りして、張こう、高覧に人を遣わすと、
「殿が貴公らを殺そうとされていますぞ」
と言わせておいた。
そこで高覧は袁紹からの使者が来ると有無を言わせず斬り殺した。高覧は、
「袁紹もざん言を信ずるようでは、必ず曹操に敗れるだろう。我らも道ずれに死を待ついわれはない。曹操に降参しようではないか」
と、 張こうと共に降参した。

 

さて袁紹が許攸、張こう、高覧に去られ、鳥巣の兵糧を失ったあと、兵士たちは戦意を全く失った。曹操は間髪入れずに夜討ちをかけた上に、偽の触れを出して袁紹の軍勢を混乱させた。惑わされた袁紹の軍勢は全く闘志がなく、総崩れとなって壊滅した。袁紹はわずか八百騎あまりを率いて落ち延びた。この時曹操が戦勝品として手に入れた文書類の中から、曹操の陣中の人々が袁紹と内通した証拠のものが多数見つかった。周りの者が、
「全て姓名を調べ上げて、死罪にいたされるが宜しいと存じます」
と言うと、曹操は、
「袁紹が猛威を振るっていた頃は、わしですら信念が揺らいだことがある。どうして他の者を責めることができようか」
と言って、証拠の品をことごとく焼き棄てさせて、二度と口にしなかった。

 

さて、袁紹が逃れて逃げたあと、沮授は曹操の軍勢に捉えられ引き出された。曹操はもともと沮授と面識があったが、沮授は曹操の顔を見るや、
「わしは降参せぬぞ」
と大声で叫んだ。曹操は言葉を尽くして説得し、厚くもてなすと陣中に引き留めておいた。すると沮授は馬を盗んで袁紹の元に帰ろうとした。怒った曹操が殺させたが、沮授は死の間際まで顔色を変えなかった。曹操は、
「ああ、わしは誤って忠義の人を殺してしまった」
と嘆くと、厚く葬った。

 

こうして曹操は袁紹追討の命を下す。さてこの勝負はどうなるか。それは次回で。